今現在プログラミングは子どもの習い事の中でもとても人気があり、年々子ども向けのプログラミング教室が増加しています。
教室紹介のサイトや教室のホームページを検索した経験がある方は、一度は「Scratch(スクラッチ)」というワードを見たことがあると思います。
今回の記事では、Scratchを試しに利用してみたい方やご自宅でお子様と一緒に経験してみたい方などに向けて、Scratch導入編として、Scratchについてやその使い方について、簡単に説明していきます。
Scratch(スクラッチ)とは?
Scratch(スクラッチ)とは、アメリカのMITメディア・ラボで作られた無料のプログラミング言語、ソフト開発環境です。対象年齢は8歳からと低年齢から使用できるようにデザインされています。
現在、全世界の教育教材として浸透し、日本でも2020年度から必修化された小学校のプログラミング授業において、数多くの採用事例があります。
スクラッチの特長としては、ビジュアル言語と言われる視覚的に分かりやすいオブジェクトを組み合わせてプログラミングをするため、プログラミング言語の知識がなくてもプログラムを作成できるという点です。
基本的な操作方法はドラッグ&ドロップが多く、低年齢の子どもにも簡単に操作できる点も教育教材として浸透している要因の一つでしょう。
また、スクラッチはかなり複雑なゲームやアニメーションなどを作成することが可能であることから、学術やゲームといった幅広い分野で利用されています。
Scratch(スクラッチ)を始める前に
スクラッチを使う前に動かすための環境や用語の説明をしていきます。
Scratch(スクラッチ)を動かす環境について
スクラッチはインターネット接続環境で作業するオンライン方式とダウンロードしてインターネットに接続せずに作業するオフライン方式とあります。
オフライン方式はScratchプログラムをパソコンやタブレットにダウンロードして、作業はインターネット接続していない環境で作業することが可能です。
オンライン方式はScratchのウェブ上で使用するため、Windows、macOS、iOSなどコンピューターのOSに依存されない点がとても便利です。
今回はオンライン方式でのスクラッチの使い方をご紹介していきます。
尚、現在主流の「Scratch3.0」を使用しています。
Scratch(スクラッチ)の用語の説明
スクラッチを使う前に用語について簡単に説明しておきます。
プロジェクト
スクラッチの作品を「プロジェクト」といいます。プロジェクトの中にはスクラッチで作成したプログラムや素材がまとまった状態になっています。自分の作品を保存することができ、何度でも編集することができます。
また、プロジェクトはScratchのサイト上で共有することができます。共有されたプロジェクトはプログラムが公開されます。公開されたプロジェクトは自由に動かして遊んだり、プログラムをコピーして編集することなどができます。
プロジェクトページ
作成したプロジェクトを動かすページを「プロジェクトページ」といいます。
プロジェクトページの「中をみる」をクリックすると、プログラム編集画面に戻ることができるので、プロジェクト作成中に動作確認する時にも使います。
スプライト
プロジェクトの中で動作したり、音を出したりするキャラクターや背景などのことを「スプライト」といいます。
最初に開いたプロジェクトを作る画面にはネコのスプライトが表示されています。
Scratch(スクラッチ)をはじめよう
スクラッチを始めるには、ブラウザから、Scratchのサイトhttps://scratch.mit.edu/にアクセスします。
パソコンでもタブレットでも使えますが、今回はパソコンで使用する方法をお伝えします。
トップ画面(がめん)について
Scratchのサイトhttps://scratch.mit.edu/にアクセスしたときの画面について簡単に説明します。
①作る
プロジェクトをつくるときにクリックすると、プロジェクトをつくる画面(がめん)にすすみます。
画面左下の「つくってみよう」でもおなじページにすすみます。
②見る
ほかの人の作品(プロジェクト)を見たり、あそんだりすることができます。
③アイデア
いろいろなアニメやゲームなどのプロジェクトの作り方を知ることができます。
④Scratchに参加(さんか)しよう
Scratchはアカウントを登録(とうろく)するページにすすみます。
アカウント登録することで、自分のプロジェクトをScratchサイトに保存することができます。また、作品(プロジェクト)を公開して、ほかの人に見てもらうことなど、他にもいろいろなサービスを使うことができます。
⑤サインイン
登録(とうろく)したアカウントでScratchにログインするページにすすみます。
⑥保護者(ほごしゃ)の方へ
Scratchを使うときのモラルや注意事項等が記載されています。お子さまが使う前によく読んでおきましょう。
アカウントを登録(とうろく)しよう
登録(とうろく)は保護者(ほごしゃ)の方にやってもらいましょう。
④の「Scratchにさんかしよう」または⑧の「さんかする」をクリックします。
Scratchで使う「ユーザー名」と「パスワード」を決める
ユーザー名とパスワードには、本名や住んでいる場所など個人情報が特定できるようなものは避けましょう。
アカウント登録画面が表示されたら、スクラッチアカウントの「ユーザー名」「パスワード」「パスワード(確認用)」を入力します。
ユーザー名には半角英数字・ハイフン(-)・アンダーバー(_)を含むユーザー名は半角英数字で3~20文字まで、パスワードは最低でも6文字以上という制限があります。日本語は使用できません。
他のユーザーが使用しているユーザー名を入力した場合は注意コメントが表示されますので、他のユーザーと異なるユーザー名に変更しましょう。
また、ユーザー名は一度決定すると変更することができませんので、ご注意ください。
国、生まれた年と月、性別を入力する
こちらの情報は一般公開されることはありません。
電子メールアドレスを入力する
電子メールアドレスを入力するし、「アカウントを作成する」をクリックすると「Scratchへようこそ」が表示されます。
登録メールアドレスに認証メールが送信されているので、共有やコメントしたい場合にはメールにあるリンクから、登録していきます。
Scratch(スクラッチ)の使い方
ここからは実際にスクラッチを操作したり、使うために必要な設定方法について解説します。
スクラッチにサインインしよう
スクラッチにサインインするには、トップ画面の⑤「サインイン」をクリックして、ユーザー名とパスワードを入力(にゅうりょく)します。
サインインをしなくてもスクラッチは使えます。
スクラッチのプロジェクトをつくる画面(がめん)のせつめい
「つくる」をクリックして、プロジェクトをつくる画面にすすみます。スクラッチを使うときのメイン画面です。
(1)メニューバー
①言語選択(げんごせんたく)
地球マークをクリックするとたくさんの言語(げんご)が表示(ひょうじ)されます。今回は「にほんご」にしています。
②ファイル
作ったプロジェクトのほぞんやコピーやしんきをここで行います。
「しんき」はあたらしいプロジェクトを作る画面にすすみます。
「ただちにほぞん」「コピーをほぞん」はサインインしているときにだけ表示されるメニューです。
サインインしていると、作ったプロジェクトのデータがScratchのサイト内にほぞんされます。違うコンピューターからでも同じアカウントでサインインをして、続きをへんしゅうすることができるので、とてもべんりです。
「コンピューターにほぞんする」は今使っているコンピューターにほぞんされます。ファイルは ”ファイル名.sb3” という名前でダウンロードされます。
「コンピューターにほぞん」はサインインしなくても使えるので、少しだけためしてみたい時などに使うのにべんりです。
「コンピューターからよみこむ」はコンピューターにほぞんされたプロジェクトを画面に表示させることができます。
クリックするとダウンロードフォルダーがひらき、表示するプロジェクトファイル(.sb3)をえらびます。
作成(さくせい)とちゅうのプロジェクトのつづきを作るときなどにべんりです。
③へんしゅう
「さくじょのとりけし」はまちがって、スプライトなどをさくじょしたとき、「さくじょのとりけし」をすることができます。
「ターボモードにする」はふだんはあまり使いません。
④チュートリアル
スクラッチの使い方やプロジェクトのせつめいが短い動画(どうが)で見ることができます。
チュートリアルはさいしょに「作る」をクリックしたときに表示(ひょうじ)されることがあります。使わないときは×を選択。
プロジェクトの名前をここに入力します。ほぞんされるときの名前になります。
⑥きょうゆうする
プロジェクトを共有(きょうゆう)することができます。共有すると全世界の人がみたり、コピーしたりすることができます。アカウントとうろくして、サインインしているときに使えます。
⑦プロジェクトページをみる
共有(きょうゆう)されたプロジェクトをうごかしてみたり、コピーして使ってみたりすることができます。
⑧わたしのさくひん
前につくった自分のプロジェクトの一覧(いちらん)が表示されます。
プロジェクトを削除(さくじょ)したり、共有を解除(かいじょ)したりすることができます。アカウントとうろくして、サインインしているときに使えます。
⑨アカウント
「プロフィール」はプロフィール写真(しゃしん)やコメントを入れたりするところです。
「わたしのさくひん」は⑧の「私の作品」とおなじページにすすみます。
「アカウントせってい」からユーザー名やメールアドレスやパスワードを変更することができます。
「サインアウト」自分のアカウントからぬけます。
(2)ブロックパレット
ブロックパレットにはたくさんのブロックがあります。
ブロックにはブロックエリアの左にある「うごき」「みため」「おと」「イベント」「せいぎょ」「しらべる」「えんざん」「へんすう」「ブロックていぎ」のしゅるいに分かれています。
使い方はプログラムをつくるときにせつめいします。
(3)コードエリア
スクラッチではブロックを組み合わせてスプライトのうごきをきめます。
ブロックパレットからブロックをえらび、コードエリアにドラッグ&ドロップしてならべていき、プログラムを作っていきます。
(4)ステージ
ステージはスプライトが動作(どうさ)するばしょです。たくさんのスプライトを見せたり、動かしたりすることができます。
(5)スプライトリスト
プロジェクトで使うスプライトが表示(ひょうじ)されるばしょです。ネコ以外にもたくさんのスプライトがあり、選ぶことができます。
スプライトを自分で作ることもできます。スプライトをいくつもふやすこともできます。
表示されているスプライトをクリックするとコードエリアもクリックされたプログラムのものに変わります。
(6)背景(はいけい)
ステージの背景(はいけい)を追加(ついか)することができます。
まとめ
今回の記事ではScratch(スクラッチ)の使い方、画面の見方、操作方法についてお伝えしました。
次回からは簡単なプログラムの作り方をお伝えします。作ったプログラムで、ネコを動かしてみましょう。
また、スクラッチの基本的な使い方や操作がわからない場合は、いろいろと触りながら慣れるのも一つの方法です。
次のステップでは、スクラッチでプログラムを作って動かし方について見ていきましょう。
【STEP.2】スクラッチでプログラムを作ってみよう(1) 座標の考え方・動かし方
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